2007 Fiscal Year Annual Research Report
新世代アデノウイルスベクターとトランスポーゼによる筋ジストロフィーの遺伝子治療
Project/Area Number |
18590951
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内野 誠 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20117336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 寧 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60346997)
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Keywords | dystrophin / helper-dependent / dkoマウス / multiple muscle injection / Sleeping Beauty transposon |
Research Abstract |
進行性筋ジストロフィーに対する遺伝子治療の問題点として、dystrophin geneのcDNAが14kbと巨大であることが挙げられる。我々は,37kb の cloning capacity を有する helper-dependent adenovirus(HDAd)vectorを作成し、full length dystrophin の pacagingを行なってきた。モデル動物としてDMD症状を早期より呈する dystrophin-utrophin-double-knockout(dko)マウスを用い治療効果について検討してきた。生後1週齢のdko マウスを対象としHDAd myc-dys を上肢・下肢・背筋にmultiple muscle injection にて遺伝子導入を行ない、投与8週後にて評価を行ない、導入筋の評価では20〜50%以上の筋にdystrophin の局在が確認され、β-DG、α-SG、さらにnNOS の発現も回復し、運動機能の改善、有意な生存期間の延長を認めた。未治療群と比較して、CD4、CD8、CD68の浸潤も減少していた。AAV vectorを用いたμ-dystrophin の dkoマウスへの静脈内投与により優れた成果が報告されているが、大型動物へのμ-dystrophin の有用性は確立されていない。昨年Cossu らは、mesoangioblast stem cells を用いてfull length dystrophinを筋ジス犬の筋肉へ導入し、lentivirus を用いたμ-dystrophinで改善が得られなかったのに対し、優れた臨床的改善が得られたことを示した。HDAd vector system も、DMD の治療手段の一つになる可能性が示唆される。 一方、アデノウイルスベクターの欠点である一過性発現を根本的に改善するために、Sleeping Beautyトランスポゾンのシステムを用いて目的遺伝子を染色体に組み込む研究については、2年間施行錯誤を繰り返しながら実験を継続したが、transposon DNAの形状はcircularである必要があり、linearのDNAは殆ど機能しないことが明らかになり、所期の目的を達成することは困難であることが判明した。
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Research Products
(2 results)