2007 Fiscal Year Annual Research Report
GNE遺伝子ノックダウン細胞を用いた遠位型ミオパチーの病態解析と治療法の開発
Project/Area Number |
18590952
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
熊本 俊秀 Oita University, 医学部, 教授 (40134936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 成志 大分大学, 医学部, 講師 (30433048)
花岡 拓哉 大分大学, 医学部, 助教 (40433057)
荒川 竜樹 大分大学, 医学部, 助教 (90363548)
|
Keywords | 遠位型ミオパチー / クロロキン・ミオパチー / 遺伝子導入細胞 / GNE / rimmed vacuoles / オートファジー関連遺伝子 / lysosome / ubiquitin-proteasome |
Research Abstract |
UDP-N-acetylglucosamine-2-epimerase/N-acetylmannosamine kinase (GNE)遺伝子異常による縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)の病態解析と治療法の開発を目的に、GNE遺伝子産物の細胞内局在と機能を検討した。GNE蛋白とmRNAはヒトおよびラットの骨格筋を含めあらゆる組織にユビキタスに存在し、cardiotoxin投与後の筋の壊死および再生線維(とくに核)に強く発現し、筋の再生に関与することを明らかにした。また、DMRVの疾患モデルの1つであるクロロキン投与ラットについて空胞の形成にオートファジー関連遺伝子が深く関与するが、GNE遺伝子は抑制されないことを明らかにした。さらに縁取り空胞を有する筋の崩壊機構にubiquitin proteasome pathwayが深く関与することを明らかにし、そのpathwayと抑制作用を有するIGF-1が、縁取り空胞の過剰形成を抑制することを示した。 ヒトDMRVの症例で報告されている遺伝子変異のうち、日本人に最も多いV572Lの変異GNEのコンストラクトを作成し、筋芽細胞および分化誘導した筋管細胞にtransfectionし、変異GNE遺伝子導入細胞を作成した。変異GNE遺伝子導入細胞ではwild-type GNE遺伝子導入細胞に比べ細胞萎縮、細胞死が多い傾向を認めたが、縁取り空胞やfilamentous inclusionなど形態的には大きな差異はない。現在、変異GNE遺伝子導入細胞の大量生産を図りながら、両細胞におけるGNE活性、シアル量およびlysosome関連蛋白のmRNAの発現量と細胞内動態を解析中である。
|