2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋系幹細胞を用いた筋ジストロフィー再生治療の基礎的研究
Project/Area Number |
18590961
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
萩原 宏毅 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80276732)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30330591)
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
|
Keywords | 再生医療 / 骨格筋系幹細胞 / 筋ジストロフィー / 骨髄移植 / fukutin / 糖鎖 |
Research Abstract |
我々は筋ジストロフィーの治療法として、骨格筋細胞へと分化する骨格筋系幹細胞(myogenic stem cell)を罹患筋中に導入して健常筋を再生させるという再生治療法を目指している。前回の研究課題(課題番号16590856)で、骨髄移植により筋ジストロフィーモデルマウス(dy, mdxマウス)にはドナー由来の細胞の生着が認められた。特にのマウスではmdxマウスに比較して臨床症状の改善もみられ、より治療効果が高いという結果を得た。また移植治療の効果は、細胞外マトリックスの異常と筋細胞膜構成成分の異常という筋ジストロフィーの発症機序の相違によって異なり、細胞外マトリックスに異常があるタイプの方がより高い効果が期待できるものと考えられた。この結果を踏まえて、本研究課題では、1.細胞外マトリックスに異常がある他の筋ジストロフィーモデルに対する骨格筋系幹細胞治療の有効性を検討する.2.筋疾患回復の高い効果を得るため、純度が高く、効率よく再生するような幹細胞のソースを見出すことを二つの柱とした。今回モデルマウスはフクチントランスジェニックマウスを用いた。フクチンは、筋膜の構成分子であるα-ジストログリカンの糖鎖の付加に関わると考えられており、このマウスはヒトの福山型先天性筋ジストロフィーのモデルである。幹細胞のソースとしては、最初の検討として前回と同様骨髄を用い移植を実施した。その結果、モデルマウスにドナー由来の細胞の生着が認められた。我々はすでにこのモデルマウスではα-ジストログリカンの糖鎖の減少があることを見出している。今後移植されたモデルマウスにおいてこの糖鎖が回復するかどうかの生化学的検討や表現型の評価を進める予定である。またより有効な幹細胞のソースとして、ES細胞由来の細胞で同様の移植による検討を行う方針である。
|
Research Products
(6 results)