2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋系幹細胞を用いた筋ジストロフィー再生治療の基礎的研究
Project/Area Number |
18590961
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
村上 竜文 Kawasaki Medical School, 医学部, 准教授 (30330591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Keywords | 筋ジストロフィー / 再生医療 / 骨格筋系幹細胞 / 骨髄移植 / 福山型先天性筋ジストロフィー / 筋基底膜 |
Research Abstract |
筋ジストロフィーは有効な治療法のない難病である。我々は骨格筋細胞へ分化する骨格筋系幹細胞(myogenic stem cell)を筋ジストロフィー罹患筋に導入して筋線維を再生させるという戦略で骨格筋再生研究をおこなっている。昨年度までにGFPマウスをドナー筋ジストロフィーモデルマウスをレシピエントとして骨髄移植を行った。その結果、筋形質膜破壊の認められるDuchenne型筋ジストロフィーモデルmdxマウスでは骨髄由来骨格筋系幹細胞の導入効率が低い、一方、筋基底膜破壊の認められるメロシン欠損先天性筋ジストロフィーモデルdyマウス及び福山型先天性筋ジストロフィーモデルfukutin欠損マウスでは導入効率が高い、ことを明らかにした。我々は、筋基底膜破壊処理による筋再生促進治療が可能ではないかと仮定した。この仮定を検証するため本年度は、レシピエントとして野性型マウスの筋形質膜破壊モデル(蛇毒cardiotoxin処理)と筋基底膜破壊モデル(MMP-1処理)を作成しGFPマウスから骨髄移植を行い解析した。その結果、(1)筋形質膜破壊モデルではmdxマウスと同等の低い導入効率を示し筋基底膜破壊モデルでは、dy,fukutin欠損マウスと同等の高い導入効率を示した。(2)筋形質膜破壊モデルでは、導入細胞が既に存在する筋線維と融合する、一方、筋基底膜破壊モデルでは導入細胞は新たに筋線維に成熟していく、ことが明らかとなった。現在、MMP-1の投与量、投与法について条件設定実験を行い、筋基底膜の一過性破壊という物理的処理と骨髄移植という既に臨床的に確立した医療の組み合わせによる骨格筋再生促進治療について研究を進行している。更に正常骨格筋系幹細胞のソースとして骨髄細胞より期待できる羊水細胞を用いての移植を念頭に、羊水細胞から骨髄系幹細胞の単離を試みている。
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Research Products
(7 results)