2006 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン感受性組織における誘導型ホスホフルクトキナーゼ2の発現と機能
Project/Area Number |
18590971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渥美 敏也 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (90359480)
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Keywords | 解糖系 / 糖尿病 / ブドウ糖 |
Research Abstract |
マウス骨格筋からmRNAを抽出し、RT-PCRを行い骨格筋に発現しているPFKFB3のアイソフォームをクローニングした。3種類のアイソフォームの発現を確認した。これらをPFKFB3-ACDG、PFKFB3-ACG、PFKFB3-AGと命名した。またマウス肝臓についても同様に解析し、PFKFB3-ACG、PFKFB3-AGの発現を確認した。これらのアイソフォームを区別できるPCRプライマーを作成し、それぞれの組織でのPFKFB3アイソフォームの発現様式を確認した。 次にマウス骨格筋に発現するPFKFB3-ACDGとPFKFB3-ACGの違いを解析するため、それぞれを発現ベクターに組み込み、HEK293細胞に遺伝子導入した。さらに安定発現株を得るために、薬剤選択を行いPFKFB3-ACDG、PFKFB-ACGを高発現する細胞株を樹立した。これらの細胞におけるブドウ糖の取り込みと細胞内F2,6BPを測定した。Empty vectorと比較し、PFKFB3高発現293細胞ではいずれのアイソフォームでもブドウ糖の取り込みが亢進し、細胞内F2,6BP量も著明に増加していることが明らかになった。したがってこれらの骨格筋に発現するアイソフォームは解糖系を活性化する作用が強く、キナーゼ活性が優位であると思われた。 PFKFB3のSer461がリン酸化されるとキナーゼ活性が亢進することが報告されているので、PFKFB3-ACGのSer461をグルタミン酸に置換し293細胞に強制発現させた。F2,6BP量は増加したが、野生型と明らかな差は認められなかった。 糖尿病とPFKFB3の関連を解析するため、2型糖尿病のモデルマウスであるdb/dbマウスの各インスリン感受性臓器でのF2,6BPを測定した。正常マウスと比較し、糖尿病マウスでは脂肪で著明にF2,6BP量が増加しているが、骨格筋では明らかな差は認めなかった。
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