2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵ランゲルハンス氏島と脂肪組織の微小循環調節に関する研究
Project/Area Number |
18590993
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩瀬 正典 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (00203381)
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Keywords | 膵臓 / 膵ランゲルハンス氏島 / インスリン / 糖尿病 / 血行動態 / マイクロスフェア / ラット / グルコース |
Research Abstract |
Staub-Traugott効果とは健康人にブドウ糖を反復投与すると、2度目に糖を与えた時の血糖上昇は初回投与時に比べ低いことを言う。しかしながら、そのメカニズムは明らかではない。グルコース投与はラ氏島血流量を増加させることが知られているが、Staub-Traugott効果とラ氏島血流量との関係は知られていない。今回、麻酔下正常ラット(n=11)にグルコース刺激を連続して行い、1回目投与と2回目投与時のラ氏島血流量を比較検討した。対照群は非代謝性グルコースの3-0-メチルグルコースを投与した。ブドウ糖静注3分後血糖は1回目259±6mg/dl、2回目293±5mg/dl、対照群は99±3mg/dl,104±3mg/dlで、両群とも有意に上昇した(p<0.0001)。ラ氏島血流量はブドウ糖投与群で1回目15.5±1.7μl/min/mg islet、2回目11.3±1.3μl/min/mg isletで有意に減少したが(p<0.01)、対照群は10.0±0.9μl/min/mg islet,8.4±0.8μl/min/mg isletで有意な変化を認めなかった。膵血流量や十二指腸血流量には両群とも有意な変化を認めなかった。今回血糖はブドウ糖静注直後であるためStaub-Traugott効果は評価できなかった。 Staub-Traugott効果はラ氏島血流量の増加を伴わずむしろ減少していたが、このラ氏島血流量の変化がStaub-Traugott効果にどのように関係しているか今後の検討が必要である。
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