2007 Fiscal Year Annual Research Report
内臓肥満に関連するグルココルチコイド標的遺伝子の同定
Project/Area Number |
18590997
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
加治 秀介 University of Hyogo, 看護学部, 教授 (90224401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深野 智華 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (00405367)
谷田 恵子 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (60405371)
木村 由佳里 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (80438259)
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Keywords | ニューロペプチドY2受容体 / グルココルチコイド / メタボリックシンドローム / 内臓肥満 / 1塩基多型 / 遺伝子転写調節 / 脂肪細胞分化 / RNA干渉 |
Research Abstract |
脂肪前駆細胞3T3-L1の脂肪細胞への分化は、インスリン、デキサメサゾン(DEX)、フォルスコリンのカクテルで誘導されるが、特にDEXの欠如では分化がほぼ完全に阻止され、DEXが脂肪細胞分化にインスリンよりはるかに強い影響力を持つと考えられた。このカクテルで脂肪細胞への分化初期に増加することがDNAマイクロアレイで報告されている分子群のうち、DEXすなわちグルココルチコイド(F)の標的遺伝子と考えられた結合組織増殖因子(CTGF)、エメリン、カルパイン(CanpI)の遺伝子発現を2本鎖RNAによるRNA干渉でノックダウンしたが脂肪細胞への分化は阻止されず、これらは少なくとも単独では脂肪細胞分化に必須とは考えられなかった。 最近Kuoらはマウスにおいてストレスが高脂肪、高ショ糖食による肥満を助長し、その機序として交感神経やコルチコステロンの作用を介した脂肪組織でのニューロペプチドY(NPY)、NPYタイプ2受容体(NPY2R)が内臓肥満を促進する可能性を報告した。私共はNPY2RがFの標的遺伝子候補の一つと考え、ヒトのメタボリックシンドローム(MetS)とNPY2Rの発現調節領域の1塩基多型(SNP)の関連性を検討した。対象は市の健診受診者で、本学部倫理委員会での承認後、インフォームドコンセントを得た317例(男性98例、女性219例、年齢40-79歳)。アレル特異的プライマーPCR法でタイピング可能であったSNP rs6857715のTT型が87例、TC型が141例、CC型は87例で、MetS(IDFアジア基準)と診断されたのは、各々14.9、14.2、6.9%であった。性、年齢を考慮したロジスティック回帰分析でMetSのTT、TC例はCC例1に対し、オッズ比が各々5.93(95%信頼区間1.03-34.2)(P<0.05)、3.34(0.994-11.2)であった。一方、その28bp上流のrs6857530ではMetSとの関連性は認めなかった。関連性を認めたSNPはNPY2R遺伝子の転写開始点より598bp上流にあり、Fの応答配列中にはなかったので、この部位がFの直接の標的とは考えにくいがNPY2R遺伝子転写調節にどのように影響するかについては今後の検討が必要である。
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Research Products
(20 results)