2008 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージにおけるリポ蛋白リパーゼが動脈硬化形成に及ぼす影響について
Project/Area Number |
18590998
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
野牛 宏晃 Jichi Medical University, 医学部, 講師 (60348018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 俊 自治医科大学, 医学部, 教授 (90212919)
田副 文子 自治医科大学, 医学部, 研究員 (20406127)
永島 秀一 自治医科大学, 医学部, 研究員 (30406136)
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Keywords | 動脈硬化 / リポ蛋白リパーゼ |
Research Abstract |
マクロファージ特異的にリポ蛋白リパーゼ(LPL)を欠損させたマワス(MLPLKO)とアポ蛋白E欠損マウス(apoEKO)のダブル欠損マウス(MLPL/apoEKO)の動脈硬化を評価した。血清リポ蛋白は3ヶ月間の高コレステロール食負荷前後において、対照群のapoEKOとMLPL/apoEKOで差を認めなかった。一方動脈硬化については、大動脈全体での粥腫の割合で評価したところ、apoEKO(n=11):20.7±2.4%(mean±S.E.)に対しにMLPL/apoEKO(n=11):15.1±1.1%であり、MLPL/apoEKOの動脈硬化が27.1%(p<0.05)抑制された。さらに大動脈牟起支部の動脈硬化面積は、apoEKO(n=11):720000±50000μm^2に対しMLPL/apoEK:500000±30000μm^2であり、大動脈と同様に大動脈牟起支部の動脈硬化も約31%抑制された。また、14C-oleateを用いてVLDLによるマクロファージ泡沫化能を検討したところ、MLPL/apoEKOマクロファージはapoEKOマクロファージに比べ、泡沫化が52.2%抑制された。この結果から、マクロファージLPLが血清脂質の変化ではなく、直接的に動脈硬化を促進させる作用があり、マクロファージLPLを欠損させることにより、動脈硬化が抑制されることが明らかとなった。しかしながら1年間の通常食飼育下で、より進行した大動脈病変を評価したところ、apoEKO:42.7±4.7%vs. MLPL/apoEKO:38.3±2.8%であり、MLPL/apoEKOマウスの動脈硬化抑制效果は消失していた。この原因として、より進行した動脈硬化病変ではマクロファージの関与が低下すること、あるいは動脈硬化病変の進行が一定の飽和状態となり両群とも差がなくなった可能性がある。
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Research Products
(1 results)