2008 Fiscal Year Annual Research Report
IA-2/IA-2β欠損マウスを用いた内分泌糖代謝異常の検討とヒトへの応用
Project/Area Number |
18591004
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三浦 順之助 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (90297515)
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Keywords | IA-2 / IA-2β / 1型糖尿病 / グルカゴン分泌 / RNAi |
Research Abstract |
全身の様々な腺組織に存在するIA-2(Insulinoma-associate antigen-2)及びIA-2β(Insulinoma-associate antigen-2β)は、膵β-細胞でインスリン分泌に関与している。また、1型糖尿病のMajorな自己抗原としても知られている。自然発症1型糖尿病のモデルであるNOD(non-obese diabetes)マウスをbackgroundとした実験系で、前年から継続して糖尿病自然発症率を検討した。生後離乳前にIA-2β^<-/->とIA-2β^<+/+>NODマウスに分別し、週2回尿糖或いは血糖値を測定した。糖尿病の診断は2日間連続で血糖値250mg/dl以上を糖尿病と定義した。生後40週までの糖尿病発症率は、雌ではIA-2β^<+/+>85.7%(n=28)、IA-2β^<-/->58.3%(n=24)、雄ではIA-2β^<+/+>66.6%(n=33)、IA-2β^<-/->28.6%(n=21)であり、雌雄とも糖尿病発症率はIA-2β^<-/->NODマウスの方が、有意に低値であった(P<0.05)。発症までの期間及び発症時の血糖値は、WTとKOとの問では有意差はなかった。 一方、1型糖尿病で時として部分的に傷害されるα細胞に注目し、グルカゴン分泌に与える影響を検討した。方法は、正常およびIA-2β欠損マウスより膵ラ氏島を分離し、一晩37℃で培養。翌日、KRBバッファー中にて、正常ブドウ糖濃度(5.5mM)を基盤としてKCl(20mM)+arginine(20mM)を90分間負荷して溶液中グルカゴン濃度を測定した。IA-2β欠損femaleマウスは、正常マウスよりも負荷後のグルカゴン濃度が20-25%程度の低下していることを見出した。
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