2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規増殖因子NTAKによる膵B細胞の分化・増殖作用の解明と再生医学的研究
Project/Area Number |
18591006
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
宮川 潤一郎 Hyogo College of Medicine, 医学部, 准教授 (00127721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 光義 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00183533)
浜口 朋也 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60330461)
紺屋 浩之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50340956)
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Keywords | NTAK / 増殖因子 / 膵B細胞 / 増殖 / 分化 / 再生 / 発生 / 糖尿病 |
Research Abstract |
私どもは新たな糖尿病治療の開発をめざして、膵β細胞における再生(分化・増殖)機構に関する研究を続けており、本研究では、同機構に関与する可能性のある因子として、EGF familyに属する新たな増殖因子Neural-and thymus-derived activator for ErbB kinases(NTAK)や同familyシグナル伝達のmodulator CD-9等に着目して種々の検討を行ってきた。その結果、NTAKは成人ヒト膵組織に発現しておりその発現は膵組織においては膵島B細胞特異的であり、同因子がヒト膵β細胞の分化・増殖・機能維持に重要な役割を演じていることが推測された。一方、マウス胎児膵におけるNTAK産生に関する検討において、NTAKは同family分子であるBTC(Betacellulin)、HB-EGF(Heparin-binding EGF-like growth factor)と同様に、膵島前駆細胞で産生されることが判明し、胎生期における膵β細胞の分化・増殖機構にも関与しうることが明らかとなった。一方、NTAKの生理活性部位と考えられる配列を含むペプチドを合成、それらの生物活性を検討したところ、NTAK部分ペプチドの一部は膵β細胞株MIN6の増殖活性を増加させたが、別の部位の部分ペプチドは逆に増殖活性を抑制してアポトーシスを誘導している可能性を示し、その機能的多様性が推測された(投稿準備中)。研究を進展させるため、研究期間中にアイソフォーム特異的抗NTAK抗体の作成を試みたが、免疫組織学的に利用可能なNTAKアイソフォーム特異的な抗体は得られていない。また、ErbB receptor family modulatorとしてのCD-9に関する検討も行い、一定の成果を収めたが、β細胞における再生(分化・増殖)機構における直接的な作用については解明に至っていない。
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Research Products
(5 results)