2006 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定したメタボリックシンドローム関連遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
18591012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀田 紀久子 独立行政法人理化学研究所, 肥満関連遺伝子研究チーム, チームリーダー (30360639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳谷 隆宏 独立行政法人理化学研究所, 肥満関連遺伝子研究チーム, 研究員 (40322698)
田辺 篤 独立行政法人理化学研究所, 肥満関連遺伝子研究チーム, 研究員 (30373327)
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Keywords | 視床下部 / レプチン / 肥満 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
肥満関連遺伝子3の視床下部における発現をin situ hybridization法と免疫組織染色にて検討した。肥満関連遺伝子3は視床下部の室傍核、弓状核、外側視床下部に発現を認めた。弓状核では食欲亢進ペプチドのNPYを発現しているニューロンに共発現していた。室傍核では食欲抑制ペプチドのurocortinIIと共発現していた。外側視床下部ではオレキシンやMCHニューロンには発現を認めなかった。以上から、肥満関連遺伝子3は少なくともNPYとurocortinIIの発現調節を介して肥満発症に寄与している可能性が示唆された。神経系の培養細胞のSH-SY5Yに強発現させると、細胞質に発現し、核には発現を認めなかったので、転写活性に直接関与することは考えにくい。次に食餌による肥満関連遺伝子3の発現調節を正常マウスにて検討した。視床下部における肥満関連遺伝子3mRNAは絶食で増加した。一方、高脂肪食投与では減少した。これは食欲調節因子のNPYの発現の変化と一致しており、肥満関連遺伝子3はNPYの発現調節に関与している可能性が示唆された。レプチン欠損マウスのob/obマウスやレプチン受容体欠損マウスのdb/dbマウスでは、絶食による肥満関連遺伝子3の発現量の変化を認めなかった。これは肥満関連遺伝子3がレプチンシグナルの下流に存在している可能性を示唆する。そこで、肥満関連遺伝子3の作用を詳しく検討するためアデノウイルス組換え体を作成した。アデノウイルスの作成が終了し、現在、培養細胞に感染させ、レプチンによる肥満関連遺伝子3の発現調節を検討中である。また肥満関連遺伝子3は骨格筋や脂肪細胞にも発現しているので、3T3-L1細胞を持ちいて、グルコースの取り込みに及ぼす影響を検討している。
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