2006 Fiscal Year Annual Research Report
DHCR24ノックアウト細胞を用いたホルモン作用の研究
Project/Area Number |
18591017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00211871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
曹 霞 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (70432218)
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Keywords | DHCR24 / ノックアウト / p38MAPK / JNK / ASK-1 / 過酸化水素 / 活性酸素 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
DHCR24ノックアウト(KO)mouse embryonic fibroblasts(MEF)は過酸化水素負荷により野生型(WT)MEFに比し速やかにアポトーシスに陥った。この現象は培養液中に血清が存在しても観察されたことから、コレステロール生合成とは無関係なDHCR24の抗アポトーシス作用を示唆するものと考えられた。次に酸化ストレス時の細胞内シグナル伝達系を検討すると、過酸化水素負荷によりストレス活性化蛋白キナーゼ(SAPKs)であるp38MAPK(mitogen-activated protein kinase)やJNK(c-Jun N-terminal kinase)の活性化がWT MEFで観察された。一方、KO MEFではWT MEFに比し強い持続的な活性化が観察された。SAPKsの持続的な活性化はアポトーシスを誘導することが知られている。SAPKsの上位キナーゼであるASK(Apoptosis signal-regulating kinase)-1の活性を検討すると、やはりKO MEFで強い持続的な活性化が観察された。以上の結果からDHCR24の抗アポトーシス活性の作用点はASK-1の上流にあることが示唆された。次に、蛍光指示薬H_2DCFDAを用いて細胞内活性酸素(ROS)を測定すると、過酸化水素負荷によりKO MEFではWT MEFに比し多量のROS産生が観察された。DHCR24発現組換えアデノウイルスを作製し、これをKO MEFに感染させると細胞内ROS産生が減少し、SAPKsの持続的な活性化が抑制された。以上の結果からDHCR24はROS消去活性を有し、これにより抗酸化ストレス作用を発揮することが示唆された。現在、DHCR24蛋白を大腸菌で合成・精製し、in vitroでDHCR24の直接のROS消去活性を検討している。
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Research Products
(7 results)