2007 Fiscal Year Annual Research Report
β細胞再生を目的とした、組織特異的遺伝子欠損マウスによるβ細胞分化分子機構の解明
Project/Area Number |
18591021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細田 公則 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (40271598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 純二 京都大学, 医学研究科, 助教 (70378743)
益崎 裕章 京都大学, 医学研究科, 助教 (00291899)
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Keywords | β細胞 / Notch / Rbp-j / 発生 |
Research Abstract |
膵臓の発生分化におけるNotch/Rbp-j系の意義を明らかにする目的で、Rbp-j floxマウスをPdx creマウスおよび、rat insulin II promoter特異的creマウス(Rip creマウス)と交配し、Notch/Rbp-j系の意義を検討した。 Rbp-jf/f Pdx. creマウスのe11.5でα細胞とPP細胞が増加していた。内分泌細胞の前駆細胞のneurogenin3陽性細胞が減少していた。このことは、Notch/Rbp-j系がα細胞とPP細胞への分化の抑制により、内分泌細胞の前駆細胞のプールの維持していることを示唆する。 Rbp-jf/f Pdx. creマウスのe15で伸張した膵管構造が認められた。インスリン陽性細胞や、amylase陽性細胞は減少していた。このことは、Notch/Rbp-j系が膵の前駆細胞から膵管細胞への分化を抑制していることを示唆する。 生後のRbp-jf/f Pdx. creマウスで、内分泌細胞は減少しており、血中インスリン濃度の低下を伴う糖尿病を呈した。これは、胎生期の内分泌細胞の減少によって説明可能であるので、生後の発生分化におけるNotch/Rbp-j系の意義は明らかではない。 分化したβ細胞におけるNotch/Rbp-j系の意義を検討する目的で作成したRbp-jf/f Rip. creマウスでは明らかな異常が認められなかった。このことは、β細胞が分化したステップ以降では、Notch/Rbp-j系が作用していない可能性を示している。さらにマウス胎生期の膵の内分泌細胞の前駆細胞においてPtflaがPdxより1日遅れて発現することに着目して、Rbp-jf/f Ptfla. creマウスを解析したところ、内分泌細胞の減少の程度はRbp-jf/f Pdx. creマウスに比較して、はるかに軽度であった。このことは、膵内分泌細胞のプールの維持には、Notch/Rbp-j系が膵発生早期のきわめて限られた時期に発現することが必要であることを示している。
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