2006 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度YFP融合ライブラリーを用いた核内受容体制御タンパク質の網羅的同定
Project/Area Number |
18591027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河手 久弥 九州大学, 医学研究院, 助教 (20336027)
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Keywords | 核内受容体 / 遺伝子 / 共焦点顕微鏡 / ホルモン |
Research Abstract |
1.ステロイドホルモン受容体が形成する核内fociの形成意義に関する検討 ステロイドホルモン受容体は、リガンド依存性に核内で細かい均一なfociを形成し、転写活性化と相関することが示されてきたが、このfoci形成の生理学的な意義については不明であった。本年度の研究では、まずこのfoci形成が、転写阻害剤であるアクチノマイシンDやα-アマニチンで阻害されるため、foci形成は転写に先立って起こるものではないことを明らかにした。また転写コリプレッサーであるN-CoRを共発現させると、ステロイドホルモン受容体と共局在するもののfoci形成は抑制される。さらに転写コアクチベーターを発現させると、N-CoRは受容体から解離して元の場所に戻り、ステロイドホルモン受容体のfociは回復する。以上の結果から、ステロイドホルモン受容体のfociは、活性化した受容体と転写コアクチベーターの複合体が一時的に貯蔵される場所で、その形成は細胞内のコアクチベーターとコリプレッサーの発現量の比に依存するものと推測された。 2.転写コリプレッサーN-CoRのドメイン解析 転写コリプレッサーであるN-CoRは、ステロイドホルモン受容体の転写活性化を抑制し、ステロイドホルモン受容体と核内で共局在することを明らかにした。様々なN-CoRの欠失ミュータントを作製したところ、中央部分の1133-1798アミノ酸に相当する部分が、ステロイドホルモン受容体の転写活性化抑制および受容体との共局在の双方に重要であることが明らかになった。 3.YFP-cDNAライブラリーの作製 培養細胞からmRNAを調製して、cDNA合成を行い、高輝度YFPであるVenusを融合したcDNAライブラリーを作製中である。今後このcDNAライブラリーを培養細胞にトランスフェクトして、ステロイドホルモンで処理後に特徴的な核内シグナルを示す細胞を回収する予定である。
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