2007 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺がんモデルマウスを駆使した環境因子・内分泌動態変化による癌形成への影響研究
Project/Area Number |
18591030
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
難波 裕幸 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80237635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光武 範吏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50404215)
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50284683)
|
Keywords | 甲状腺がん / 放射線 / がん遺伝子 / 動物実験 |
Research Abstract |
H18年度から引き続き、すでに細胞株を用いた in vitroの系で効果が良好であった新規NF-kB阻害薬DHMEQ の効果を甲状腺がん発症モデルマウス、1)BRAF変異、2)RET/PTC(MoMuLV/RET-MEN2A)トランスジェニックマウスを用い in vivoの系で検討した。 1)甲状腺低分化がんを発症するBRAFトランスジェニックニックマウスでDHMEQを腹腔内に注射して甲状腺の数、大きさなどを指標に効果の判定を行ったが有効な効果は認めなかった。 2)甲状腺髄様がんを発症する MoMuLV/RET-MEN2Aトランスジェニックマウスに対して同様にDHMEQを腹腔内に注射することで効果をみたが、発症する腫瘍の数、サイズとも変化を認めることができなかった。 3)甲状腺乳頭がんに対するDHMEQの投与のタイミングと効果を研究するために、BRAFの発現時期を調節できるCre-LoxPシステムを用いたマウスの作成を試みたが、適切なトランスジーンがマウス細胞内に組み込まれているにもかかわらず十分なBRAFの発現を誘発することができずこの系では甲状腺がん発症モデルマウスを作製することができなかった。しかしながら、12mg/kgのDHMEQ量をマウスの腹腔内に注射したが、非投与グループと比較し、体重、生存期間ともの変化がみられず、DHMEQは生体に重篤な副作用を示さないことが示唆された。今回の実験においてトランスジェニックニックマウスではがん遺伝子の発現量が多く、胎生早期から発現がみられ薬剤投与の時期にすでに大きな腫瘍が複数形成されていることが、効果が認められなかった理由であると考える。
|
Research Products
(7 results)