2006 Fiscal Year Annual Research Report
副甲状腺ホルモン分子のアミノ基末端側における断片化機構の研究
Project/Area Number |
18591033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今西 康雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50326253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 正章 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00176405)
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Keywords | 副甲状腺ホルモン / アミノ基末端断片化機構 / カルシウム感知受容体 / 原発性副甲状腺機能亢進症 |
Research Abstract |
本研究は、副甲状腺ホルモン(PTH)のアミノ酸配列のアミノ基末端(N端)断片化機構が、副甲状腺細胞膜上に存在するカルシウム感知受容体(Calcium sensing receptor, CaR)を介して機能するのかを、in vitro, in vivoの系を用いて解明することである。既に我々は、ヒト副甲状腺初代培養細胞系を用いた検討により、細胞外Ca^<2+>依存性PTH分子N端断片化機構を報告している (JCIin Endocrino1 Metab 90:5774-8,2005)。今回我々は、カルシウム感知受容体作働薬のひとつであるシナカルセトがヒト副甲状腺初代培養細胞よりPTH分泌を用量依存的に抑制することを報告した(J. Bone Miner Metah 24:300-6,2006)。さらにシナカルセトがPTH分子N端断片化を促進することを見いだした(投稿準備中)。また、多価イオンとして、Mg^<2+>も同様に本現象を促進することを確認した。以上より、細胞外Ca^<2+>依存性PTH分子N端断片化機構の少なくとも一部は、 CaRを介して機能することを示した。今後、CaRの細胞内情報伝達系を刺激・抑制することで、その機能の変化を確認する予定である。 原発性副甲状腺機能亢進症モデルマウス(PCマウス)を用いた動物実験において、既に我々はシナカルセトの単回投与により血清Ca, PTH濃度が抑制されることを示している(Eur JEndoerino1153:587-94,2005)。さらに、シナカルセトの混餌投与により副甲状腺増殖能も抑制されることを示した(投稿準備中)。今後本マウスへのシナカルセト投与実験により、CaR依存性PTH分子N端断片化機構を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(2 results)