2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591042
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
本倉 徹 Tottori University, 医学部, 准教授 (00192823)
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Keywords | 遺伝子 / ウイルス / 癌 / 自然選択 / 疾患モデル |
Research Abstract |
1.ヒトリンパ増殖性疾患モデルにおけるr選択とK選択の作用:hTERT発現プラスミドはEpstein-Barrウイルス感染リンパ芽球様細胞株(EBV-LCL)中に、長期間(3ヶ月以上)の培養でも失われず維持された。単独では速やかに消失するc-mycその他のリンパ腫関連遺伝子の発現plasmidを複数個共導入することを試みたが、hTERTのみが長期間の培養で残存した。hTERTがEBV-LCLに増殖優位性を与えることができる唯一の遺伝子であった。EBV-LCLの培養ではIgH-CDRIIIPCRによるclonalityの解析や染色体分析から、容易にmonoclonalityが獲得されclonal evolutionが短期間に生じることが判明し、疾患モデルとしての有用性が示唆された。 2.造血器腫瘍における14-3-3σ遺伝子発現解析:昨年度の成果をBMC Cancerに発表した。さらに、EBV-LCLもしくはEBV感染細胞株に14-3-3σ遺伝子発現プラスミドを電気穿孔法で導入し、14-3-3σ高発現の意義を検討した。Western解析で14-3-3σ蛋白の高発現を確認したが、細胞増殖の抑制はなく、flow cytometryによる細胞周期解析では、14-3-3σ導入によってわずかにS期とG2/M期の増加が認められた。しかし、継代培養ではcontrol vectorと同様に消失し、細胞増殖促進効果は認められなかった。よって、EBV感染細胞株では14-3-3σの高発現が許容され、細胞周期阻害因子として機能しないことが示唆された。14-3-3σ高発現の意義について今後さらなる解析が必要である。
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Research Products
(1 results)