2007 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞ニッチにおけるノッチシグナルによる造血幹細胞制御機構の解明
Project/Area Number |
18591044
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊野 恵城 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 助教 (90396721)
|
Keywords | Notch / 造血幹細胞 / ニッチ |
Research Abstract |
1)Notchシグナルの減弱した状態での造血幹細胞の評価 Notch1+/-Notch2+/-マウスあるいはMx-Creを用いたコンディショナルノックアウトによるNotch1-/-Notch2-/-マウスでの造血幹細胞をFACS(CD34(-)KSLの定量)にて評価した。その結果定常状態、5-FU投与後の幹細胞の活性化状態のいずれにおいても、造血幹細胞の量に差は認められなかった。 またNotchシグナルの阻害薬であるg-secretase inhibitor(GSI)をin vivo投与でも造血幹細胞の量に変化は認められなかった。これらは、FACSによる表面抗原による解析および移植の系にて確認した。 2)in vitro培養での造血幹細胞の増幅におけるNotchシグナルの関与についての検討 我々はFGF1による造血幹細胞の増幅を定量的に評価し報告したが(Crcareva, et. al. Experimental Hematol.2005 in press)、その際GSIによりNotchシグナルを阻害することにより造血幹細胞を含むKSL分画の増幅が起こらないことを見い出した。 このように、in vitroとin vivoにおいて造血幹細胞のNotchシグナルへの依存性が異なることが判り、現在、1)ニッチにおける他のシグナルとのクロストーク、2)造血幹細胞の細胞周期の違いという観点から、胎生期から生直後の造血幹細胞が増殖期にある時期におけるNotchシグナルの役割について検討中である。
|