2006 Fiscal Year Annual Research Report
受容体型チロシンキナーゼROR1のB細胞腫瘍における機能解析
Project/Area Number |
18591047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
福田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (70332624)
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Keywords | ROR1 / 受容体型チロシンキナーゼ / B細胞腫瘍 |
Research Abstract |
ROR1遺伝子の機能解析のため,tet-onシステムを用いて、ROR1蛋白の発現が誘導されるIL-3依存細胞株を樹立した。この細胞株においては、ドキシサイクリン添加により16時間後には強いROR1蛋白の発現が誘導される事が確かめられた。これを用いてROR1の発現誘導による細胞増殖,細胞死について検討した。 IL-3が十分に存在する培養下においては、その増殖にROR1の発現は影響を与えなかった。しかしながら、この細胞株をIL-3低濃度条件にして培養すると,IL-3飢餓に伴う細胞死がもたらされるが、ROR1の発現誘導した上でIL-3低濃度下で培養すると,この細胞死が抑制されることが明らかとなった。この細胞死抑制作用が,腫瘍化に寄与している可能性がある。現在この分子学的機序につき検討中である。 さらにROR1からのシグナル伝達経路の解明のため、EGF受容体の細胞外ドメインと、ROR1細胞内ドメインを組み合わせたキメラ遺伝子を作成した。この受容体はEGFと結合し、チロシンキナーゼドメインを含むROR1活性化を導く事が期待される。遺伝子導入により定常的にこの遺伝子を発現する細胞株を樹立した。発現はフローサイトメトリー及び、免疫沈降法で確認した。この細胞抹を用い、EGF添加による細胞内分子の活性化を解析中である。 また、in vivoにおける機能解析のため、ROR1cDNAをIgエンハンサー、プロモーターの調節下に組み込んだ遺伝子を構築し、これをマウス受精卵にインジェクションする事によって、ROR1蛋白をB細胞に発現するトランスジェニックマウスの作成を行った。 現在まで、7匹のマウスにおいて、ROR1遺伝子の挿入が確認されており、それぞれのラインが確立されつっある。ROR1の発現、リンパ球分化における影響、免疫反応における影響を検索予定である。
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