2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイナー組織適合抗原高親和性T細胞レセプター遺伝子導入による特異的CTLの誘導
Project/Area Number |
18591049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高見 昭良 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (80324078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 恭夫 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10322116)
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Keywords | マイナー組織適合抗原 / 白血病 / 造血幹細胞移植 |
Research Abstract |
本研究は、接着分子L-セレクチンの多型部位を含む新規マイナー組織適合抗原ペプチドに特異的かつ増殖活性の高い細胞傷害性T細胞を誘導し、難治性白血病治療に用いることを最終目標としている。本年度は、特異ペプチド配列を決定した上で細胞傷害性T細胞を樹立し、テトラマーアッセイにより検出・定量可能であることを確認した。最初に、HLA一致ドナーからの同種造血幹細胞移植が予定されているHLA-A*2402陽性白血病患者およびドナーのL-セレクチンアレルの同種多型を、PCR-RFLP法により決定した。HLA-A*2402を保有し、患者のL-セレクチンがS/S型またはP/S型、ドナーのL-セレクチンがP型の白血病患者由来の白血病細胞および末梢血・ドナー由来の末梢血を採取し保存した。患者およびドナーから採取した末梢血単植細胞を、EBウイルス産生株B95-8の上清を加えて培養することにより、lymphoblastoid cell line(LCL)を作成した。同時に患者の骨髄を液体培養することにより線維芽細胞も作成した。次に、HLA-A*2402分子への親和性を考慮し、L-セレクチン多型部位を含む9アミノ酸(P型、S型各9種類)を全て合成した。iFNr産生能を指標に候補ペプチドをスクリーニングし、HLA stabilization assayを利用して、ペプチドとHLA-A*2402分子との結合性をフローサイトメトリーで確認した。さらに、L-セレクチン多型部位を含む100bpの遺伝子とHLA-A*2402遺伝子を導入したT2-A24/L-selectin細胞に対する細胞傷害活性誘導能を指標に、S2ペプチドがマイナー組織適合抗原として機能することを確認した。S2ペプチドをパルスしたT2-A24細胞でドナーCD8陽性細胞をS2ペプチドで繰り返し刺激することにより、S2ペプチド特異的細胞傷害性T細胞を誘導し、S2ペプチド特異的・HLA classl拘束性の細胞傷害活性を確認した。最後に、S2ペプチド/HLA-A24テトラマーとS2ペプチド特異的細胞傷害性T細胞を反応させ、PE蛍光色素の強さをフローサイトメトリーで解析することにより、特異的細胞傷害性T細胞の検出・定量が可能であることを確認した。
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