2007 Fiscal Year Annual Research Report
血小板凝集を惹起する新しい受容体CLEC-2:抗血栓薬新規ターゲット蛋白の可能性
Project/Area Number |
18591052
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
井上 克枝 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (10324211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 由基男 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30134539)
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Keywords | 血小板 / CLEC-2 / ロドサイチン / ポドプラニン / 癌の転移 |
Research Abstract |
先に我々は、血小板凝集を惹起する蛇毒ロドサイチンの血小板上受容体が、CLEC-2という、既知の血小板凝集惹起受容体とは全く異なるCタイプレクチン様受容体の蛋白であることを発表した。今回、CLEC-2の生理的リガンドの検索とノックアウトマウスの作成を目的とした。 1)CLEC-2欠損マウス:平成18年5月より新たにベクターを作成しなおして、ノックアウトマウスを作成したが、ES細胞の品質不良のため不備に終わった。その後新たなES細胞を使用して19年4月より作成しなおし、現在はF1ヘテロマウスが9匹得ちれている。 2)生理的リガンド:プロテオグリカンの一種、バーシカンがCLEC-2のリガンドである可能性を検討していたが、様々な困難な点があったため中断した。その後別のリガンド検索を行った。腫瘍細胞の表面に発現するポドプラニンは血小板凝集を惹起し、腫瘍の血行性転移促進するといわれているが、その血小板上受容体は不明であった。我々はポドプラニンとロドサイチンによる血小板凝集の類似性から、ポドプラニンの受容体がCLEC-2ではないかと考えた。ポドプラニン発現細胞に組換CLEC-2蛋白の結合フローサイトメーターで確認され、ポドプラニン惹起血小板凝集は組換CLEC-2蛋白で抑制されることから、この仮説が正しいことが証明された。これは非常に有用な発見といえ、Journal of Biological ChemistryのPapers of the Weekに選ばれ、プレスリリースされるなど、大きな反響があった。さらに我々は、抗ポドプラニン抗体がマウスの尾静脈より投与した腫瘍の肺転移を抑制することも見出し、ポドプラニンとCLEC-2の結合を抑制することで癌の血行性転移を抑制できる可能性を示した。現在JSTの支援を受けて、国際特許出願準備中である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Molecular analysis of the pathophysiological binding of the platelet aggregation-inducing factor podoplanin to the C-type Iectin-like receptor CLEC-2.2008
Author(s)
Kato Y, Kaneko MK, Kunita A, Ito H, Kameyama A, Ogasawara S, Matsuura N, Hasegawa Y, Suzuki-Inoue K, Inoue O, Ozaki Y, Narimatsu H.
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Journal Title
Cancer Sci. 99
Pages: 54-61
Peer Reviewed
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[Journal Article] Involvement of the snake toxin receptor CLEC-2, in podoplanin-mediated platelet activation, by cancer cells. (Papers of the Week)2007
Author(s)
Suzuki-Inoue K, Kato Y, Inoue O, Kaneko MK, Mishima K, Yatomi Y, Yamazaki Y, Narimatsu H, Ozaki Y.
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Journal Title
J Biol Chem. 282
Pages: 25993-6001
Peer Reviewed
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