2007 Fiscal Year Annual Research Report
ビスフォスフォネート・トライアングルを応用した新規白血病治療法の開発
Project/Area Number |
18591056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 晋也 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (80359794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦原 英司 京都大学, 医学研究科, 助教 (70275197)
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Keywords | ビスフォスフォネート / 白血病 / γδ T細胞 / 破骨細胞 / ナノチャンバー / ニッチ |
Research Abstract |
平成19年度は主に以下の3点について検討した;1)ビスフォスフォネート製剤(BPs)の直接的抗腫瘍効果、2)BPsの免疫活性化作用、3)破骨細胞による白血病幹細胞ニッチへの影響。 1)において白血病細胞移植免疫不全マウスに現在最も効力が強いBPsであるゾレドロン酸(ZOL)を投与し、末梢血および骨髄中の白血病細胞を回収し、その白血病細胞中のRap蛋白のプレニル化状態を測定した。末梢血中の白血病細胞のプレニル化は阻害されていなかったが、骨髄中の白血病細胞のプレニル化は阻害されていた。この結果は、生理的なZOL投与量では末梢血中のZOL濃度は抗白血病作用を示すには達しないが、骨髄中では十分に薬効を示す濃度に達することが明らかとなった。2)ZOL前処理がん細胞にZOLでex vivo増幅したγδT細胞を1:10の比率で共培養したところ、γδT細胞はあたかもがん細胞を追跡するような動きをすることがタイムラプス観察でわかった。このことから、がん細胞が走化性因子を産生していることが推測された。培養体積240nLのナノチャンバーは、注入口より物質を添加しても、あまりに培養室が小さいため添加された物質の拡散は極めて遅く、濃度勾配が長く維持される。この特徴を利用して、ZOL前処理時にがん細胞から産生される走化性因子の特定を開始した。3)破骨細胞特異的阻害剤リベロマイシンA投与マウスでは、白血病細胞の生着率が低下することが明らかとなった。この結果から、破骨細胞を阻害する目的で開発されてきたZOLにも、直接的な抗白血病作用だけでなく、同様の機序で破骨細胞を介した間接的な抗白血病作用もあることが示唆された。
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Research Products
(7 results)