2007 Fiscal Year Annual Research Report
活性化変異レセプター型チロシンキナーゼの新規シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
18591058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水木 満佐央 Osaka University, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00294083)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60346202)
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Keywords | チロシンキナーゼ / FLT3 / 白血病 / STAT3 |
Research Abstract |
c-Kitのシグナル伝達においては、膜直下領域のTyr567,Tyr569とキナーゼインサートのTyr719がSCF/c-Kit刺激による細胞遊走能に重要であることを示してきた。今回特に、Tyr567にGab2が結合し、リン酸化されたGab2にshp2が会合しその下流でrac/JNK1とrasを活性化することを示した。このTyr567からのシグナルは、Tyr719からのPI3kinaseシグナルと共同してマスト細胞の分化、増殖を担うことが明らかとなった。FLT3の活性化変異には、膜直下領域変異であるITD変異体とキナーゼドメインに存在するactivation loop内の点突然変異体(FLT3 Asp835Val)の2種があり、これらの変異FLT3のシグナル伝達は、野生型と異なりSTAT3,STAT5の恒常的活性化を示す。FLT3の細胞内ドメインにおいてSTAT3の結合するコンセンサスモチーフはTyr567,573,769の3箇所に認められる。これらのTyr残基の内、Tyr769をPheに置換した変異においてFLT3 Asp835ValによるSTAT3のリン酸化が最も減弱していた。またこの3つのTyr残基をすべてPheに置換した変異体においてもSTAT3の活性化は完全に消失することはなく残存していた。活性化変異体におけるSTAT3の活性化にはコンセンサスモチーフからのシグナルに加えて、c-Kit同様に膜直下領域からのsrc family kinaseもしくはGab2からのシグナル伝達が関与している可能性が示唆された。
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