2006 Fiscal Year Annual Research Report
インターナライズ抗体を用いた骨髄腫細胞の特異的ターゲッティング法の開発
Project/Area Number |
18591067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
尾崎 修治 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90314872)
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Keywords | 造血器腫瘍 / 多発性骨髄腫 / モノクローナル抗体 / 分子標的治療 / イムノトキシン / インターナリゼーション |
Research Abstract |
Type II膜蛋白であるHM1.24/BST2(CD317)は骨髄腫細胞に特異的に高発現していることから,新しい治療標的分子として注目されている。我々はヒト抗体産生マウス(KM mouse)を用い,HM1.24に特異的な新規モノクローナル抗体b-76-8を作製した。本年度においては,b-76-8抗体の骨髄腫細胞に対する抗腫瘍活性について検討した。b-76-8抗体のADCC活性およびCDC活性についてCr遊離試験にて測定したところ,比較的弱い活性を有することが明らかとなった。しかしながら,b-76-8抗体のインターナライズ活性をフローサイトメトリーにて測定したところ,細胞表面に結合した抗体は60分後には約80%が細胞内へインターナライズされることが明らかとなった。b-76-8抗体の細胞内局在について免疫細胞化学を行い共焦点レーザー顕微鏡にて検討したところ,トランスゴルジ網に集積することが明らかとなった。また,このインターナライズ活性はHM1.24を高発現している骨髄腫細胞に特異的に認められた。そこで,細胞毒であるメイタンシン(DM1)を結合させたb-76-8-DM1抗体を作製し,in vitroやin vivoにおける細胞傷害活性について検討した。b-76-8-DM1はb-76-8やDM1単独と比較し,骨髄腫細胞の細胞周期を著明に抑制し,高率にアポトーシスを誘導した。さらに,b-76-8-DM1はマウス骨髄腫モデルにおいて,b-76-8抗体単独やDM1より優れた抗腫瘍効果を発揮した。以上の結果より,インターナライズ抗体b-76-8は結合毒素を効率よく骨髄腫細胞に伝達させることから,多発性骨髄腫に対する新しいターゲティング療法として有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)