2006 Fiscal Year Annual Research Report
BCL6とAP-1遺伝子群による血球分化と機能制御
Project/Area Number |
18591074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡田 誠治 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (50282455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴 伸也 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (80363513)
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Keywords | BCL6 / AP-1 / 造血幹細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
BCL6遺伝子群とAP-1遺伝子群とは、共に細胞刺激時のごく初期に広範に発現する前初期遺伝子群(Immediate early genes)であり、細胞の分化・増殖・アポトーシス・癌化に極めて重要な働きをする転写因子群であり、実際、これらの遺伝子の異常は様々な細胞系譜において異常を起こすことが知られている。本研究では、造血系におけるBCL6・AP-1遺伝子群の機能とその破綻による腫瘍化及びBCL6・AP-1遺伝子群クロストークを明らかにすることを目的に研究を行っている。 平成18年度は、特に樹状細胞分化におけるBCL6の役割について検討した。その結果、BCL6欠損マウスの脾臓においては、形質細胞性樹状細胞は正常であるが、CD11c陽性の樹状細胞が減少していることを見出した。その原因は、CD8陽性樹状細胞が欠失しているためであった。BCL6欠損マウスとGFPトランスジェニックマウスを交配して、BCL6欠損GFPトランスジェニックマウスを作製した。本マウスの造血幹細胞を正常マウスに移植し、GFPの発現を指標に造血幹細胞から樹状細胞への分化をみたところ、CD8陽性樹状細胞が分化してこなかったことから、樹状細胞分化異常がBCL6欠損による内在的なものであり、BCL6はCD8陽性樹状細胞に必須の因子であることが判明した。
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