2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中元 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員 (90334383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆幸 大阪市立大学, 医学研究科, 助手 (50343413)
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Keywords | 免疫学 / シグナル伝達 / 炎症細胞 / 細胞接着 |
Research Abstract |
インテグリン下流のドッキングタンパク質Cas-L/Hef1/Nedd9が、好中球で発現し、fMLP,TNF,LPSなどの刺激でチロシンリン酸化を受けることを見いだしていたので、さらに解析を行った。Cas-Lのチロシンリン酸化は、fMLP,TNF刺激においては、細胞接着によって大幅に増大したが、LPS刺激においては、接着による差は少なかった。接着させる基質の種類によりリン酸化の増大の程度に差を認めた。好中球において、Cas-Lの細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光免疫染色によって解析したところ、接着斑に局在していた。これらのことから、Cas-Lが、好中球においても、接着斑からのシグナルに関与していることが示唆された。 Cas-Lノックアウトマウスから骨髄の好中球を分離し、fMLPで刺激したところ、Cas-L-/-の好中球は、形態変化の程度がCasL+/+の好中球よりも有意差をもって小さかった。K/BxN血清やコラーゲン投与によるリウマチ発症モデルを計画していたが、マウスの繁殖が一時的に困難となったため、計画が遅れている。2006年末には繁殖が再開したので、現在は、コラーゲン投与リウマチモデル(CIA)を行い、リウマチ発症の経過を観察しているところである。 Cas-Lに関する研究の過程で、カルパイン阻害剤が、単独で、ヒト末梢血好中球で、ERKのリン酸化を引き起こすことを偶然見いだしていたが、その後の研究でERKだけでなく、p38,JNK,Aktなどのリン酸化も引き起こすことが判明した。ヒト末梢血単球においても同様の現象が認められたが、リンパ球ではカルパイン阻害剤によるこれらの変化は認めなかった。このことから、貪食細胞において、カルパインの基礎活性がシグナルの非特異的な活性化を抑制していることが示唆された。
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