2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の白血病発症における役割の解明と臨床応用
Project/Area Number |
18591083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 教授 (00199431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 次郎 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60371035)
和田 妙子 自治医科大学, 医学部, 研究生 (30382956)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 発現制御 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
1)血液細胞におけるHDAC発現とその制御機構1の解明:(1)正常造血幹細胞/前駆細胞(CD34陽性骨髄、臍帯血単核細胞)においてHDACの発現はきわめて低く、特に蛋白レベルでは検出限度以下であった。一方、committedpr genitors(CD34陰性骨髄単核細胞)においては発現が認められたが、顆粒球・単球では再度発現が低下した。この発現パターンはin vitroの培養系でも再現された。(2)急性白血病においては細胞株(HL-60、U937、K562)、臨床検体ともにHDACの強発現を認めた。HL-60、U937を顆粒球ないし単球系に分化させると、HDACの発現は著明に低下した。一方、K562を赤芽球・巨核球系に分化させた場合は、HDACの発現は抑制されなかった。(3)HDAC1プロモーターはTATA lessで、GC box、CCAAT box、GATAおよびMZF-1の結合配列を認めた。プロモーター活性はSp-1、GATA-1によって活性化され、GATA-2、MZF-1、C/EBPα、C/EBPβによって抑制された。またGATA-1によるHDAC1転写活性化は、GATA-2+MZF-1によって著明に抑制された。 2)造血幹細胞におけるHDACの機能と白血化への関与の解明:(1)純化した造血幹細胞にHDAC1を強発現させたが、明らかな増殖の促進は認めなかった。(2)C57BL/6(Ly-5.1)マウス由来の造血幹細胞(c-Kit陽性細胞)にレトロウイルスを用いてHDAC1を発現させ、放射線照射したC57BL/6(Ly-5.2)マウスに移植した。現在、約3か月の観察であるが、HDAC1発現群において有意の白血球減少が認められている。一方、赤血球数、血小板数は対照群(Mock)、無処置マウスと差を認めていない。
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Research Products
(6 results)