2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子・細胞療法を用いた次世代血友病治療法の開発と非ヒト霊長類モデルへの展開
Project/Area Number |
18591084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10221607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窓岩 清治 自治医科大学, 医学部, 講師 (70296119)
大森 司 自治医科大学, 医学部, 助教授 (70382843)
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Keywords | 血友病 / 遺伝子治療 / 細胞移植 / 第VIII因子 / 第IX因子 |
Research Abstract |
研究計画に従い血友病モデル動物を用いて検討した。凝固第VIII因子遺伝子搭載AAVベクターを血友病Aマウスに投与することにより、治療域レベルN〜正常値以上の発現を長期間安定し得られ、AAVベクターを用いた安全性が高い血友病A遺伝子治療法の可能性が示された。また、血小板特異的プロモーターの下流に第VIII因子遺伝子を配置したSIVベクターを用い遺伝子導入を行った血液幹細胞を骨髄移植することにより血小板特異的第VIIII因子発現がえられ血友病Aマウスの出血症状を改善しえ、血小板を標的とした遺伝子遺伝子治療法の可能性が示唆された。組織・臓器特異的遺伝子導入をめざした試みにおいて、PAI-1プロモーターを用いた血管内皮細胞をターゲットとすることで、炎症反応時における導入遺伝子発現低下を防ぐことができ、血友病B遺伝子治療法の可能性と優位性が示された。 マウスで得られた成果をもとに、血友病B遺伝子治療の前臨床実験を非ヒト霊長類カニクイザルにおいて検討した。血友病カニクイザルは存在しないが、ベクターの有効性や安全性などを検討するうえで重要なモデル動物である。内在性カニクイザル第IX因子と識別可能に改変した変異カニクイザル第IX因子遺伝子を搭載したAAV1ベクター、AAV9ベクターを用い変異カニクイザル第IX因子遺伝子をカニクイザルに発現させたところ、治療レベルに達する導入遺伝子由来の変異第IX因子の長期発現がえられた。 血友病Aマウス胸腺へのヒト第VIII因子投与、血友病A新生仔マウスの肝臓への遺伝子導入によりヒト第VIII因子に対する免疫寛容が誘導されることが示された。これらの結果は安全な血友病遺伝子治療が可能であることを示唆するとともに、臨床でも遺伝子治療においても問題となるインヒビター対策への手がかりとなるものと考えられる。
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Research Products
(12 results)