2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子・細胞療法を用いた次世代血友病治療法の開発と非ヒト霊長類モデルへの展開
Project/Area Number |
18591084
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
三室 淳 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (10221607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窓岩 清治 自治医科大学, 医学部, 講師 (70296119)
大森 司 自治医科大学, 医学部, 講師 (70382843)
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Keywords | 血友病 / 遣伝子治療 / 凝固VIII因 / 凝固IX因子 / カニクイザル / 血小板 |
Research Abstract |
血友病A遺伝子治療:血友病Aマウスにおいて,AAV8ベクターと強力な肝臓特異的なHCRHAAT-プロモーターを用い肝臓に限定してイヌFVIIIを発現させることで,イヌFVIII活性を免疫抑制なしに正常イヌFVIII活性の100%以上に保つことができた。一方,ヒトFVIIIはマウスにおける血液半減期が極めて短く血液レベルを高めることがこれまで困難であったが,HCRHAAT-プロモーターを用いることで血友病AマウスにおいてヒトFVIII活性を10-50%に維持することが可能となった。SIVベクターを用いて血液幹細胞へFVIII因子遺伝子を導入しGPIbαプロモーターを用い血小板へ特異的にFVIIIを発現させることで血友病マウスの出血症状を改善しえ,さらに,活性化型FVII因子を血小板に発現させることでも血友病Aマウスの全血凝固が改善し尾切断後の死亡率も改善しえた。血友病B遺伝子治療:ヒトFIX特異的モノクロナル抗体で検出可能な変異カニクイザルFIX(FIXT262A:262位のThrをAlaに置換)を発現するAAV1ベクターを3頭のカニクイザル骨格筋に投与することで変異カニクイザルFIXの血液レベルを4-40%で長期間維持することが可能であった。しかし,マウスで1000%以上のFIX発現をえることができるAAV8,AAV9ベクターをサルに門脈から投与したが,サルに既存するAAV8,AAV9に対する中和抗体が低力価でも存在すると血中に期待レベルのFIXの長期発現は得られなかった。しかし,それぞれ1頭においては20%前後と治療域に達するFIXの発現が得られた。
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Research Products
(16 results)