2006 Fiscal Year Annual Research Report
白血病関連転写因子TELのES細胞を用いた機能解析と新規結合蛋白の同定
Project/Area Number |
18591085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
江口 真理子 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40420781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 哲也 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30424047)
江口 峰斉 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50420782)
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
佐々木 光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
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Keywords | TEL / ETV6 / トランスジェニックマウス / ES細胞 / 赤血球分化 / 巨核球分化 |
Research Abstract |
転写因子TELの正常な血液細胞の発生・分化に関わる機能と、TEL変異による腫瘍化のメカニズムを解明するために、TELトランスジェニックマウスを作製した。まず赤芽球および巨核球の発生・分化におけるTELの役割を検討するために、GATA1の遺伝子発現制御領域下にTELを発現するGATA1-TELトランスジェニックマウスを作製した。GATA1-TELトランスジェニックマウスには個体観察上明らかな異常を認めなかったが、血液学的解析では4系統中2系統でHbが有意に高値であった。骨髄細胞表面マーカー解析では対照群と比較して明らかな差はなかったが、骨髄細胞をEPOおよびTPO存在下で培養すると対照群に比較してそれぞれCD71^+TER119^+分画およびCD41^+c-kit^+分画の有意な増加が認められた。Gata1制御領域下にTELを過剰発現させると赤芽球系前駆細胞が増加することから、TELが赤芽球の発生・分化に重要な転写因子であることが示唆された。現在Gata1制御領域下にTELを発現するES細胞およびTELノックアウトES細胞を作製し、血液細胞の分化におけるTELの役割を詳細に検討中である。またTELの結合蛋白を同定し、in vitroで両蛋白の結合および局在を検討している。この蛋白はTELのcentral regionを介して結合すると考えられ、その部分を欠失したTEL変異体を発現させるとMEL cellにおいては赤芽球への分化が抑制された。以上から赤芽球の発生・分化におけるTELの役割が示唆された。
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Research Products
(3 results)