2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
國島 伸治 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), 止血血栓研究部, 室長 (60373495)
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Keywords | May-Hegglin anomaly / MYH9異常症 / 先天性血小板減少症 |
Research Abstract |
我々は、May-Hegglin anomalyに代表される白血球封入体を伴う巨大血小板性血小板減少症の原因遺伝子MYH9を同定し、MYH9異常が引き起こす一連の疾患群を総称してMYH9異常症と呼ぶことを提唱した。さらに、抗NMMHC-IIA抗体を用いた免疫蛍光染色による鑑別診断法を確立した。MYH9異常症には光顕的封入体を有しないEpstein症候群が含まれ、R702変異との関連性が指摘されている。我々が現在までに解析したMYH9異常症53家系中、4家系(4症例)でR702変異(R702CおよびR702H)を同定した。白血球封入体が認識されていた症例は1例であったが、好中球におけるNMMHC-IIA局在は全症例において異常でありII型局在を示した。II型局在は明瞭な光顕的封入体を有するR1165あるいはD1424変異においても検出されるため、光顕的封入体染色性の違いを明らかにした。明瞭な光顕的封入体を有するE1841K、D1424N、あるいはR1165C変異を有する好中球封入体にはoligo dTプローブにより認識されるpoly(A)+RNAが含まれることが判った。このpoly(A)+RNA陽性局在はRNAse処理で消失するがNMMHC-IIA局在は不変であった。一方、R702変異を有する好中球にはpoly(A)+RNA局在は染色されない。従って、光顕的封入体の染色性はNMMHC-IIA凝集部位でのpoly(A)+RNA量に規定されることが判明し、R702変異ではpoly(A)+RNA量が減少していることが明らかとなった。さらに、R702変異に関連する血液学的特徴は血小板の大きさであり、末梢血塗抹標本上の平均血小板直径(6.6±0.9μm, n=4)は、他の変異を有するMYH9異常症(4.9±0.9μm, n=77)より有意に大型であった。R702変異によるMYH9異常症は、poly(A)+RNA量が乏しいことによりい光顕的に認識されない微細な白血球封入体を呈するが、NMMHC-IIA局は異常であることと、血小板サイズが他のMYH9異常を有する症例より大きいことが特徴であることが判明した。
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