2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患におけるCD47-SHPS-1シグナル系の機能解析
Project/Area Number |
18591098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
金子 和光 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00334095)
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Keywords | CD47 / SHPS-1 / 樹状細胞 / NKT細胞 / ITIM / α-GalCer / 肺転移 |
Research Abstract |
細胞内にITIMと呼ばれるアミノ酸配列を有するSHPS-1は、脱リン酸化酵素の基質タンパク質として同定された膜タンパク質であり、広く血球系に発現するCD47とレセプターリガンド関係を形成することが報告されている。しかし、免疫応答におけるCD47-SHPS-1シグナル系の機能解析は不十分であり、自己免疫疾患における解析はほとんど進んでいない。そこで、本研究ではSHPS-1の細胞内を欠損するように作製されたSHPS-1遺伝子改変マウスを用いて、免疫応答におけるCD47-SHPS-1シグナル系の機能を解析した。本研究では、自己免疫疾患やガンの排除に重要な役割を有するNKT細胞と樹状細胞を中心として解析を行い以下の結果を得た。 1、肺転移能を有するメラノーマ細胞B16は、α-GalCerの投与で内因性のNKT細胞が活性化される事により、その転移が抑制される。SHPS-1遺伝子改変マウスにおいては、α-GalCerの投与がB16メラノーマ細胞の転移を抑制しなかった。 2、α-GalCerと共培養した樹状細胞の投与は内因性のNKT細胞を活性化し、B16の肺転移を抑制することが可能だが、SHPS-1遺伝子改変マウス由来の樹状細胞は、B16の肺転移を抑制する能力が弱かった。また、コントロールマウス由来の樹状細胞は、SHPS-1遺伝子改変マウスに投与してもB16の転移を抑制することができた。 3、α-GalCer刺激により脾臓および肝臓内単核球から産生されるIFN-γ、IL-4を検討したところ、SHPS-1遺伝子改変マウス由来の単核球においてその産生は有意に減少した。 これらの事実から、CD47-SHPS-1系は樹状細胞とNKT細胞の機能に重要な影響を有するシグナル系であることが判明した。
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