2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591099
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石塚 全 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (50302477)
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Keywords | 気管支喘息 / プロトン感知性受容体 / OGR1 / 気管支平滑筋 / Resolvin El / IL-6 / IL-13 |
Research Abstract |
研究協力者の岡島史和教授(群馬大学生体調節研究所)より供与されたプロトン感知性受容体OGR1ノックアウトマウスを用いて,卵白アルブミン(OVA)感作によるアレルギー性気管支モデルを作成し,野生型マウスと比較検討を開始した。ノックアウトマウスはBlack6マウスであり,Black6マウスではBalb/cマウスに比べてOVA感作気管支喘息モデルを作成した揚合,気管支肺胞洗浄液中への好酸球,リンパ球の集積,メサコリン吸入による気道抵抗によって評価される気道反応性(気道過敏性)の亢進の程度がいずれも軽度である。そのため,OGR1ノックアウトマウスをBalb/cマウスとの交配を繰り返し,Balb/cマウスのOGR1ノックアウトマウスを得て,現在,野生型マウス(Balb/cマウス)とOGR1ノックアウトマウスを比較している。また,ヒト気管支平滑筋細胞では,細胞外液を酸性にするとIL-6が産生された。この作用はOGR1のsiRNAを導入し,OGR1の発現を阻害することにより抑制され,気道平滑筋細胞においてOGR1がサイトカイン産生に直接関与する可能性が示唆された。これらの研究と併行して,抗炎症作用を有する脂質メディエーターとして最近注目されているResolvin E1(エイコサペンタエン酸由来の脂質)のアレルギー性気管支モデルにおける効果について検討した。その結果,Resolvin E1はOVA感作マウスにおいて,気管支肺胞洗浄液中や気道組織への好酸球,リンパ球の集積,気道上皮の杯細胞形成,気道過敏性を抑制することを見出し,その作用機序の一部としてOVA特異的IgE産生の減少,IL-13の産生抑制がみられることを証明した。
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