2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ro52の構造と機能及び自己免疫疾患における意義の解析
Project/Area Number |
18591100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢持 忠徳 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80306844)
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Keywords | Ro52 / Sjogren's syndrome / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
Ro52は分子量52KDでRing finger, B Box, Coiled CoilドメインとさらにC端にRet Finger Protein(RFP)ドメインを有する分子である。この分子に対する自己抗体はシェーグレン症候群(SS)やSystemic Lupus Erythematosus(SLE)等の自己免疫疾患の患者から特徴的に検出されており、SSの疾患の診断マーカーとなっている。しかし現在のところ、この自己抗体産生に関する免疫破綻のメカニズムについては全く明らかにされていない。我々はこの機序を解明するためにRo52を過剰発現させたJurkat T細胞においてCD28刺激あるいはCD3+CD28刺激においてIL-2産生亢進およびRo52がミトコンドリアに局在変化を起こす事を明らかにしてきた。更なるメカニズムの解析のため我々はRo52結合タンパク質を探索したところhuman Decapping Enzme 2(hDCP2)と結合する事を明らかにした。このRo52とhDCP2の結合は両分子のN末端とC末端がが必要である。このhuman decapping enzymeはmRNAのCapping構造を取り除く酵素である。その活性を調べるアッセイDecapping Assayを行ったところ、Ro52はこの活性を有意に上昇させる事が明らかになった。さらにRo52はhDCP2の発現上昇にも関与が示唆されており、今後そのメカニズムを検討する必要がある。今回得られたデータはRo52がmRNA decayに関与する可能性が示唆され、自己免疫疾患にどのように関わるか、またCD28刺激あるいはCD3+CD28刺激においてIL-2産生亢進にどのように関与するかについても検討して行く必要がある。
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