2007 Fiscal Year Annual Research Report
Ro52の構造と機能及び自己免疫疾患における意義の解析
Project/Area Number |
18591100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢持 忠徳 The University of Tokyo, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80306844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 圭 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10396872)
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50190210)
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Keywords | Ro52 / Sjogren'S syndrome / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
Ro52は分子量52KDでRing Finger,B Box,Coiled CoilドメインとさらにC端にRet Finger Protein (RFP)ドメインを有する分子である。この分子に対する自己抗体はシェーグレン症候群(SS)やSystemic Lupus Erythematosus (SLE)等の自己免疫疾患の患者から特徴的に検出されており、SSの疾患の診断マーカーとなっている。しかし現在のところ、この自己抗体産生に関する免疫破綻のメカニズムについては全く明らかにされていない。我々はこの機序を解明するためにRo52を過剰発現させたJurkat T細胞においてCD28刺激あるいはCD3+CD28刺激においてIL-2産生亢進およびRo52がミトコンドリアに局在変化を起こす事を明らかにしてきた。我々はさらなる機序の解明のためにRo52結合タンパクを検索したところhuman Decapping Enzme 2(hDCP2)と結合する事を明らかにした。このhuman decapping enzymeはmRNAのCapping構造を取り除く酵素でありP-bodyといわれる小体に局在している。この小体にはdecapping enzyme以外にもmRNA decayに関連する複数の重要な分子が局在しておりmRNA decayの重要な役割を果たしている事が近年明らかになってきている。Ro52もこのP-bodyに局在する事を我々は明らかにしさらにRo52がDCP2のDecapping enzyme Activityを有意に上昇させる事を明らかにした。今回得られたデータはRo52がmRNA decayに関与する可能性が示唆され、自己免疫疾患にどのように関わるか、またCD28刺激あるいはCD3+CD28刺激においてIL-2産生抗進にどのように関与するかについても検討して行く必要がある。
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