2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAの関節リウマチの病態への関与と新規診断法の開発
Project/Area Number |
18591109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中町 祐司 Kobe University, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80379429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 誠司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20351512)
熊谷 俊一 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (00153346)
小柴 賢洋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70301827)
佐浦 隆一 神戸大学, 医学系研究科, 医学研究員 (10252769)
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Keywords | 関節リウマチ / マイクロRNA |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)は、炎症性細胞の関節への浸潤と関節滑膜細胞の炎症性増殖・炎症性サイトカインやケモカインの産生およびそれに伴う関節破壊を特徴とする。RAの病因は不明であり、早期RAを診断できる適切なマーカーは存在せず、また治療法においても無効例あるいは効果減弱例が認められる。 本研究では、関節リウマチ(RA)の病態における新たなRNA干渉因子マイクロRNA(miRNA)の関与を明らかにし、miRNAによるRAの新たな診断法の開発およびRNA干渉を用いたRA治療法の可能性を明らかにする。 前年度の研究で、RA関節滑膜細胞(RA-FLS)に特異的miRNA(低発現1種類、高発現5種類)を同定した。このうち低発現のmiRNAの前駆体(Pre miRNA)をRA-FLSおよびRA滑膜由来細胞株E11やHela細胞にトランスフェクションした結果このmiRNAが細胞増殖抑制に関与していることを明らかにした。さらに増殖抑制はこのmiRNAが直接的にCDK2蛋白発現量を抑制することをウェスタンブロット、ルシフェラーゼアッセイを用いて明らかにした。同様にこのmiRNAはRA病態形成の一因であるRA-FLSからのMCP-1の産生を直接的に作用して抑制することを明らかにした。さらに変形関節症関節滑膜細胞を炎症性サイトカインやLPSで刺激した結果、このmiRNAの低下は認められなかった。 これらより、このRA-FLS特異的miRNAは多面的にRAの病態に関与しかつRA-FLSでの低発現は炎症性サイトカインなどによる2次的な現象でなくRA-FLA固有の現象であることが明らかとなった。
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