2006 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチのS100A8/A9タンパクによるマクロファージ活性化機構の解明
Project/Area Number |
18591111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山村 昌弘 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80252956)
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Keywords | 関節リウマチ / マクロファージ / S100A8 / A9タンパク / サイトカイン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)は関節滑膜を主病変とする病因不明の全身性炎症性疾患である。滑膜マクロファージの強い活性化の持続は、腫瘍壊死因子(TNF-α)を頂点とする炎症性サイトカインカスケードの形成を介して慢性炎症と関節破壊に密接に関与する。S100タンパクファミリーは細胞内に分布し、多様な細胞機能を調節する陽イオン結合性タンパク群であるが、活性化により細胞外に分泌あるいは放出され、サイトカイン様活性を発揮する。主に好中球や単球など貪食系細胞に発現されるヘテロニ量体S100A8/A9タンパクは、RA関節内に多量に検出される。平成18年度、本研究によりRA滑膜マクロファージにおけるS100A8/A9ペプチドの過剰発現と、S100A8/A9ペプチドによるマクロファージの炎症性サイトカイン発現誘導を明らかにした。 1)RA患者の関節滑膜組織では、変形関節症(OA)患者の組織に比較してS100A8/A9ヘテロ二量体が過剰に発現しており、主要な発現細胞はCD68+マクロファージであった。また、RA滑膜細胞は構成的にS100A8/A9を分泌した。 2)精製末梢血単球を付着あるいはINF-γ/GM-CSF存在下で分化誘導したマクロファージは、S100A9およびS100A8/A9ヘテロペプチド刺激によりTNF-α、IL-1、IL-6、IL-8などのサイトカインを産生した。また、副刺激分子、接着因子、ケモカイン受容体など機能的表面分子の発現が増強された。
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Research Products
(4 results)