2007 Fiscal Year Annual Research Report
BAFF、APRILおよびその受容体の機能解析と自己免疫疾患発症への関与の検討
Project/Area Number |
18591113
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塚本 浩 Kyushu University, 大学病院, 助手 (70304772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 孝彦 九州大学, 大学病院, 講師 (90219212)
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Keywords | BAFF / APRIL / 自己免疫疾患 / BR3 / 滑膜細胞 / 遺伝子多型 / 関節リウマチ |
Research Abstract |
TNFファミリー分子であるBAFFおよびAPRILはII型膜蛋白で、高い相同性を有している。これら2分子はBCMA、TACIという2つのレセプターを共有し、これらを介してB細胞の分化や増殖に関与していると考えられている。本研究ではBAFF、APRILおよびその受容体の機能解析と自己免疫疾患発症への関与を検討することを研究目的とした。BAFFに関しては特異的レセプターBR3の遺伝子解析を行い、BAFF結合領域であるCystein-rich domain内に新しい遺伝子多型Pro21Arg(P21R)を同定した。膜型BAFFを介した内向きシグナルの解析を行うため、遺伝子工学的にFurin転換酵素認識部位を変異させることにより、Furin転換酵素で切断されない膜型BAFFを作成した。末梢血B細胞を分化のレベルによってサブセットにわけ、BR-3、TACI、BCMAの発現を検討したところ、各サブセットでレセプターの発現量が異なっていた。滑膜線維芽細胞において、TNF-α+IFN-γ存在下にAPRILの産生を認めた。TNF-α+IFN-γ存在下での滑膜線維芽細胞の増殖亢進は、BAFF特異的レセプターであるBR3-Igでは抑制されず、APRIL、BAFFの共通のレセプターであるBCMA-Ig投与で抑制された。本研究により、BR3における新たな遺伝子多型の同定や膜型BAFFの作成により自己免疫疾患におけるBAFFの役割の解析が可能になった。APRILのオートクライン機構が滑膜の増殖に関与している可能性が示唆された。BAFFおよびAPRILが今後SLEやRAの特異的治療を行う際のターゲットになる可能性が示された。
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