2006 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞上のRP105分子の総合解析-自己免疫疾患における機能から創薬まで-
Project/Area Number |
18591115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
長澤 浩平 佐賀大学, 医学部, 教授 (00108721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小荒田 秀一 佐賀大学, 医学部, 助手 (50304887)
多田 芳史 佐賀大学, 医学部, 講師 (70284627)
木本 雅夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (40153225)
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Keywords | B細胞 / RP105 / 自己免疫疾患 / SLE / シェーグレン症候群 / 自己抗体 / BAFF / コラーゲン関節炎 |
Research Abstract |
全身性自己免疫疾患のうち、全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群(SS)、皮膚筋炎などその病態形成にB細胞の役割が大きい疾患の患者末梢血では、本来保有しているべきRP105分子を欠損しているB細胞が著明に増加し、かつ興味深いことに、このRP105(-)B細胞は高度に分化、活性化された画分に属し、自身で免疫グロブリン(Ig)や自己抗体の産生を行なうなど極めて重要なサブセットであることをすでに報告した。さらに本年度は以下のことを明らかにした。 1.SS患者の唾液腺組織の免疫組織染色により、RPIO5(-)B細胞の浸潤、増殖が著明で、その程度は血清Ig濃度とも相関することを明らかにし、本細胞は病変局所でのIg産生や組織破壊に関っていることを示唆した。 2.RP105(-)B細胞の出現、維持、増殖機構は明らかではなかったが、SLE患者B細胞をin vitroで培養し、3量体のCD40LやBAFFなどで刺激すると、RP105(-)B細胞だけが増加し、強力なB細胞刺激因子がRPIO5(-)B細胞の維持、増殖に必要であることが明らかになった。 3.RP105欠損マウスを作製し、コラーゲン関節炎(CIA)の系に導入したところ、このマウスでは、CIAの発症率、及び重症度ともに高くなった。このことは、RPIO5分子は過度の免疫反応を調節する作用を有することを示唆するものであり、ヒトのSLEやSSの結果に矛盾しない所見であった。 4.治療への応用を目指し、RP105(-)B細胞に特異的に発現する分子をDNAマイクロアレイ法により、探索中であるが、現在複数の有望な分子が浮上している。詳細な検討を行なっているところである。
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Research Products
(6 results)