2006 Fiscal Year Annual Research Report
CaMKII活性化制御は関節リウマチの新たな治療ターゲットとなりうるか?
Project/Area Number |
18591116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川上 純 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折口 智樹 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (90295105)
井田 弘明 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60363496)
玉井 慎美 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (60380862)
藤川 敬太 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (90404285)
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Keywords | 関節リウマチ / CIA / CaMKII / Akt / 滑膜線維芽細胞 / TRAIL依存性アポトーシス / 治療ターゲット |
Research Abstract |
CIAマウスと培養滑膜線維芽細胞を用いて研究を行った。CIAマウス局所ではCaMKIIとリン酸化Aktの局在がほぼ一致した。培養滑膜線維芽細胞にはAktなどに加えCaMKII発現がウエスタンブロットで確認され、RT-PCRではこれら細胞に優位に発現するアイソフォームはγとδであることが明らかとなった。そこで培養滑膜線維芽細胞のTRAIL依存性アポトーシスを指標に、これら細胞のアポトーシス感受性とCaMKIIとの関わりを評価した。TRAIL添加により滑膜線維芽細胞にはミトコンドリア機能異常を伴うアポトーシスが誘導された。TRAIL刺激はアポトーシスを誘導する一方で、Akt、ERK、JNK、P38などのkinaseのリン酸化も誘導した。この実験系にCaMKII chemical inhibitorを加えるとAktリン酸化が抑制され、かっ、TRAIL依存性アポトーシスが有意に増強された。このTRAIL依存性アポトーシスの増強効果はERK、JNK、P38のchemical inhibitorでは観察されず、CaMKII-Akt経路は滑膜線維芽細胞のアポトーシス抵抗性を誘導する重要なkinase cascadeの一つと考えられた。滑膜細胞のアポトーシス抵抗性の獲得は踏病態の中心と考えられている。ヒト関節リウマチ(RA)滑膜組織で認められるAktの過剰なリン酸化やCIAマウスでのデータからも、CaMKII-Akt経路はRAの新たな治療ターゲットになりうると示唆された。PADIに関しては、滑膜線維芽細胞ではPADI2およびPADI4の発現がウエスタンブロットで確認されたので、今後はCaMKII-Akt経路での発現および活性化制御の詳細を検討予定である。
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Research Products
(6 results)