2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松下 修三 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00199788)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 内科 / 免疫学 |
Research Abstract |
広範囲の分離株に反応し中和する人型化中和単クローン抗体、KD-247を用いてエスケープ変異を誘導し、エピトープの変異ばかりでなくV2の変異が及ぼす3量体構造での分子遮蔽が中和抵抗性に重要であることを報告した(Shibata, J. et al., J.Virol.81,P3757-68,2007)。中和抵抗性克服のため、我々は新規単クローン抗体を作成した。すなわち、自己由来のウイルス株を含む多種類のHIV-1株に対して、血清抗体の交叉中和活性が最も強い症例から末梢血単核球を分離し、CD8^+細胞除去後にEBVを用いてトランスフォームし、クローニング、スクリーニングを繰り返すことにより、gp120に反応する16種類の単クローン抗体を樹立したb反応エピトープで分類すると、V3-peptideに反応するものが6種類、CD4結合部位(CD4bd)が3種類、CD4結合後に露出するエピトープに対する抗体(CD4i)が4種類、いずれでもないものが3種類であった。JR-FL感染細胞の表面への結合活性はV3抗体では強く、他は部分的であった。CD4i抗体の反応性はrsCD4存在下に著明に増強した。4種のシュードタイプウイルス(JRFL, NL4-3,SF162,89.6株)に対する中和活性を検討したところ、SF162はV3,CD4bd及びCD4iいずれの特異性の抗体にも中和された。一方、JRFLと89.6は主にV3抗体に中和され、NL4-3はCD4bd抗体によく中和されることがわかった。さらに、8種類の臨床分離株に対する中和活性を測定したところ、中和活性は相補的であり、交叉中和は様々な抗体の相補的作用によっている可能性が示唆された。
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