2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大浦 敏博 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10176828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 清次 島根大学, 医学部, 教授 (60144044)
呉 繁夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10205221)
坂本 修 東北大学, 病院・助手 (20333809)
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Keywords | シトリン / SLC25A13 / シトルリン血症 / NICCD / CTLN2 |
Research Abstract |
【はじめに】 新規遺伝子SLC25A13は成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)の原因遺伝子としてクローニングされ、その遺伝子産物はシトリンと命名された。シトリンはミトコンドリア膜に存在するアスパラギン酸・グルタミン酸キャリアであることが明らかにされている。最近原因不明の脂肪肝を特徴とする新生児肝炎症例の中でシトリン欠損が明らかにされ、シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞症(neonatal intrahepatic cholestasis caused by citrin deficiency : NICCD)と命名された。 【方法】シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞症(NICCD)の臨床像を明らかにするため、主治医へのアンケート調査を行ない、回答のあった69例について解析した。 【結果】新生児マススクリーニング陽性を契機に受診した症例が27例存在していた。その内23例がガラクトースもしくはメチオニン高値で受診していた。残りの症例の大部分は黄疸、淡黄色便を主訴に新生児肝炎、胆道閉鎖が疑われ生後1〜4ヶ月の間に受診していた。検査結果では高胆汁酸血症、凝固能低下、低蛋白血症、複数のアミノ酸やガラクトースの一過性上昇が特徴的であった。MCTフォーミュラ、乳糖除去ミルク、脂溶性ビタミン等が使用され、ほとんどの症例は1歳までに肝機能は回復していたが、肝不全に進行し1歳前に生体肝移植が行なわれた症例が2例、16歳でシトルリン血症II型(CTLN2)を発症した症例が1例存在した。 【考察】NICCD患児は稀ながら肝不全が進行し、乳児期に肝移植が必要となる重症例が存在する。また、将来CTLN2を発症する危険性もあり長期の経過観察か必要である。
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Research Products
(3 results)