2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児病態におけるスフィンゴミエリン・セラミドサイクルの研究
Project/Area Number |
18591140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 勉 秋田大学, 医学部, 講師 (20270845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南谷 佳弘 秋田大学, 医学部, 助教授 (30239321)
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Keywords | 小児病態 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
酸性スフィンゴミエリナーゼは細胞内シグナル系であるスフィンゴミエリン・セラミドサイクルの鍵となるライソゾーム酵素である。本酵素は酸化ストレスで活性化し局在変化を起こし細胞膜に向かいスフィンゴミエリンをセラミドに分解しそのまま細胞外へ分泌する。ストレス刺激に対する活性化の分子機構を調べた。酸性スフィンゴミエリナーゼのC末端に存在するシステイン残基が、システイン・スイッチとして働き活性化に関与していると考え以下の実験を行った。野生型酸性スフィンゴミエリナーゼcDNAに対しシステイン残基をアラニン残基に改変した変異型を作成し、両者をCOS-1細胞に発現させ細胞内および細胞外の酵素活性を測定した。その結果、変異型では細胞外酵素活性の有意な上昇が見られた。以上の結果を視覚化するため野生型および変異型蛋白とGFP融合蛋白の安定発現培養細胞株を作成し観察した。その結果はC末端システイン残基の局在変化への関与を示唆した。 酸性スフィンゴミエリナーゼの欠損する細胞では酸化ストレスに対するアポトーシス誘導などの反応が欠如する。この細胞の脂質に関する特徴を明らかにする目的で、最近、細胞内脂質トランスポーターとして注目されているABC(ATP-binding cassette)蛋白の発現状態に関してPCRを用いた方法でmRNA量を定量比較した。最近まで明らかにされた4種ABC蛋白(ABCA1、ABCA3、ABCA7、ABCG1)発現に関して調べABCA1、ABCA7、ABCG1の発現低下が観察された。今後、スフィンゴミエリン・セラミドサイクルとの関与に閲し研究を進める予定である。
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Research Products
(5 results)