2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞死を制御する14-3-3タンパクの分子調節機構の解明
Project/Area Number |
18591143
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤井 克則 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (70344992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 俊之 国立成育医療センター研究所, 成育遺伝研究部, 遺伝子構造研究室長 (60174182)
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Keywords | 14-3-3タンパク / アポトーシス / 神経細胞死 / 分子調節 / 小児神経疾患 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,細胞内タンパク質である14-3-3proteinの神経細胞における機能的役割を解明し,また小児神経疾患におけるその診断と治療への応用性を明らかにすることである。 分子生物学的側面としては,細胞内における14-3-3proteinとASKLの相互作用,および14-3-3proteinがApoptosis Signal-regulating Kinase 1(ASKl)の酵素基質かどうかを検討した。ASK1および14-3-3proteinのrecombinant proteinを用いたin vitro kinase assayで基質になることを確認した。この際ASK1のauto-phosphorylationが阻害されることから両タンパクの相互作用がリン酸化に影響していることが判明した。 臨床医学的側面からは,ヒト髄液中に含まれる14-3-3proteinの疾患関連性およびその検出意義について解析を行った。中でも小児の小脳疾患における検出意義の解析を中心に進め,小脳炎,小脳失調症,遺伝性小脳性疾患で髄液中に14-3-3proteinが検出された。さらに黄色ブドウ球菌を原因菌とするToxic shock syndromeでも小脳症状が出現し髄液中から14-3-3 proteinが検出された。この時頭部MRIでは病変部を描出できず,14-3-3 proteinが小脳疾患の急性期疾患マーカーとして有用であることが示唆された。14-3-3proteinには7つのisoformが存在するが,その特異的抗体が数社から発売されている。それらの比較検討を行い,isoformごとの有用性を検討した。これらにより今後より効率的に髄液中14-3-3proteinを検出することが可能になった。このように髄液中14-3-3proteinの測定が臨床上有用な疾患マーカーになることが本研究で示された。(794字)。
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Research Products
(2 results)