2006 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん発症に関連する変異型ナトリウムチャネルの機能喪失機序の解明
Project/Area Number |
18591154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大守 伊織 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20403488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 秀樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Keywords | てんかん / ナトリウムチャネル / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
乳児重症ミオクロニーてんかん患者に電位依存性ナトリウムチャネルNav1.1をコードするSCN1A遺伝子異常が約80%の高率で検出される。変異型チャネルの機能解析を行うと、そのほとんどが機能喪失型であった。変異型ナトリウムチャネルNav1.1が機能を喪失する機序として、細胞内での蛋白合成障害、蛋白の細胞膜へ移行障害、チャネル蛋白のナトリウムイオン透過性障害、チャネル結合蛋白が変異型チャネル蛋白に結合できないための機能障害などが考えられる。個々の患者において、どのような機序で変異型ナトリウムチャネルNav1.1が機能を喪失しているか検索するため、下記の手順で実験を行った。 (1)てんかん患者で発見されたSCN1A遺伝子異常をもとに、6種類の変異SCN1A遺伝子のcDNAを構築。これら各々の変異型SCN1A遺伝子のcDNAに抗原認識できるためのエピトープ(FLAG)を組み入れる。 (2)ヒト腎細胞HEK293細胞に、各プラスミドをトランスフェクション試薬を用いて、強制発現させる。 (3)強制発現させた細胞の免疫細胞染色を行う。すなわち、カバーグラス上に細胞を培養した後、固定、エピトープに対する一次抗体、蛍光結合二次抗体で反応させる。共焦点顕微鏡下で変異チャネル蛋白の細胞内局在を検索する。 SCN1A遺伝子のHEK293細胞内での発現量が非常に低いため、免疫細胞染色では、特異度の高い画像がえられなかった。そこで、SCN1A遺伝子と相同性が非常に高いSCN5A遺伝子を用い、相応する変異を作成した。緑蛍光蛋白EGFP付加SCN5Aでは、細胞膜局在タイプ、細胞質局在タイプの識別が可能になった。
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