2007 Fiscal Year Annual Research Report
精神遅滞発症の分子機構の解明と診断・治療法開発の基盤研究
Project/Area Number |
18591156
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
三井 真一 Kochi University, 医学部, 准教授 (20295661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由利 和也 高知大学, 医学部, 教授 (10220534)
大迫 洋治 高知大学, 医学部, 助教 (40335922)
足立 貴世美 高知大学, 医学部, 助教 (60335932)
細川 卓利 高知大学, 医学部, 助教 (10380312)
|
Keywords | 精神遅滞 / 発達障害 / セリンプロテアーゼ / neurotrypsin / 社会行動 / 学習 |
Research Abstract |
Motopsin遺伝子の欠損は精神遅滞を発症させるが、前年度の行動学的解析からはmotopsin欠損マウスの学習障害は検出されていなかった。そこで、さらに条件検討を行ってモリス水迷路テストを行った。1日4回のトレーニングを5日間行こない、24時間後にプローブテストを行ったところ、motopsin欠損マウスでは標的ゾーンでの遊泳割合が野生型マウスより有意に減少しており、空間学習障害が認められた。 Motopsin結合蛋白質Sez-6の脳発達期における発現動態について免疫組織化学的に詳細な解析を行って、生後1〜2週にかけて海馬や大脳皮質の錐体細胞にSez-6の発現が一過的に高まることを見いだし、これらの時期にmotopsinがSez-6と相互作用している可能性を明らかにした。MotopsinとSez-6は健常人の大脳皮質錐体細胞の細胞体にも共発現していることを免疫組織化学法によって明らかにし、ヒトにおいてもマウスと同様に相互作用している可能性が強まった。 もう一つのmotopsin結合蛋白質であるItm2aについてもmotopsinとともに培養細胞に共発現させると、パッチ状に共局在し、免疫沈降によって両者が共沈降することを明らかにした。さらに、これまで報告されていない中枢神経系とおいても生後21日目までは比較的高いレベルでの発現がみられることをウェスタンブロット解析によって明らかにした。免疫染色によって生後7〜14日目の大脳皮質でパッチ状に局在しており、その一部はGFAP陽性細胞の突起上に存在することを明らかにし、生後の発達期にmotopsinがニューロン・グリアの相互作用に関係している可能性を見いだした。
|
Research Products
(3 results)