2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症メタボリックシンドロームにおけるカルシウムシグナルの役割
Project/Area Number |
18591160
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 公俊 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (30336234)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 生活習慣病 / カルシウムシグナル / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
Calreticulinの欠損マウスを作成し、そのホモ体は胎生致死となることがわかった。しかしヘテロ体は野生型と表現型が同じであるため、欠損マウスはヘテロ体で維持することが可能である。この欠損マウスとcalcineurinのconstitutive active formを心臓特異的に発現したトランスジェニックマウスを交配することによって全身にcalreticulinが欠損したleanマウスを得た。また時間、組織特異的過剰発現トランスジェニックマウスは、cre-loxPシステムを用いたトランスジーンによる発現調節系を用いて作成した。このトランスジーンはin vitroにおいてcre recombinaseを発現させることによりcalreticulinの過剰発現を誘導できた。それゆえ、肝細胞、膵臓β細胞などのそれぞれの組織に特異的にcre recombinaseを発現するトランスジェニックマウスと交配させることにより、calreticulinの過剰発現を発生、成長の各段階に誘導可能となった。このトランスジェニックマウスでは、心臓における過剰発現とその表現型を明らかにした。また、それぞれの組織でcre recombinaseを発現するトランスジェニックマウスとの交配を行った。さらに私は、マウスの内胚葉系組織から肝細胞、膵内分泌細胞などへ分化する内胚葉系幹細胞を分離、分化誘導した。一方で、calreticulin欠損ES細胞を作成し、肝細胞、膵臓、インスリン産生β細胞、心筋細胞、脂肪細胞などを分化誘導をおこなった。これらの体性幹細胞、ES細胞を用いて、それぞれの細胞へ分化させる過程においてカルシウムシグナルの異常による各組織のメタボリックシンドロームにおける病態を明らかにした。
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