2007 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ脳症の病態モデルの作成と、その増悪及び改善因子の検討
Project/Area Number |
18591161
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
細矢 光亮 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (80192318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00305369)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50322342)
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Keywords | インフルエンザ脳症 / アポトーシス / 血管内皮細胞 / 血清型 |
Research Abstract |
インフルエンザウイルス(FluV)感染に伴う急性脳症は血管原性浮腫を主病態とする脳および全身臓器障害を呈する疾患である。この病態は、血管内皮細胞の炎症とアポトーシスにより全身の血管障害をきたして引き起こされたものと考えられている。ヒトFluV感染ではヒトでのウイルス血症は希とされているが、近年のトリFluV感染症では呼吸器感染症のみならず全身の臓器に感染し、さらに血管内皮への感染、アポトーシス誘導の可能性を示唆する解剖所見が報告されている。今回我々は血清型の異なるヒトFluVを用いヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)へのアポトーシス誘導についてFulV株の違いによる検討を試みた。 FluVは山形株(A/Yamagata/120/86(H1N1)、村上(A/Murakami/4/64(H2N2)、石川株(A/Ishikawa/7/82)、Philippine株(A/Philippine/2/82(H3N2)を用い、各ウイルス株を1時間吸着後、48時間培養し、APOPercentageアッセイで評価した。Philippine株のみがウイルス単独でアポトーシスを誘導したことが確認された。一方、TNF-α存在下ではPhilippine株と村上株がアポトーシスを誘導した。 以上より、株の違いによりHUVECへのアポトーシス誘導能が異なることが示された。今回の知見はインフルエンザ脳症のみならず、トリインフルエンザのヒトへの感染の際の病態解明ならびに理解の一助となると思われる。
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Research Products
(1 results)