2008 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ脳症の病態モデルの作成と、その増悪および改善因子の検討
Project/Area Number |
18591161
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
細矢 光亮 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (80192318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50322342)
|
Keywords | インフルエンザ脳症 / アポトーシス / 血管内皮細胞 / 解熱鎮痛剤 / TNF-α |
Research Abstract |
インフルエンザウイルス(FluV)感染に伴う急性脳症は血管原性浮腫を主病態とする脳および全身臓器障害を呈する疾患である。この病態は、血管内皮細胞の炎症とアポトーシスにより全身の血管障害をきたして引き起こされたものと考えられている。インフルエンザ脳症症例の疫学的調査から、予後悪化因子としてジクロフェナックやメフェナム酸などの解熱鎮痛剤が挙げられている。研究期聞中これまでFluVのヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)へのアポトーシス誘導について検討してきた。最終年度は各種解熱鎮痛剤のアポトーシスへの影響について検討した。 HUVECをTNF-αで6時間前処理し、その後、各種解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン、インドメタシン、ジクロフェナック、メフェナム酸)を加え42時間後にAPOPercentageアッセイで評価した。さらに、FluVの感染実験ではPhilippine株(A/Philippine/2/82(H3N2)を用い、HUVECをTNF-αで6時間前処理した後、各種解熱鎮痛剤添加とFluV感染を同時に行い、42時間後にAPOPercentageアッセイで評価した。 TNF-αによる処理の有無、感染の有無にかかわらず、全ての種解熱鎮痛剤は濃度依存的に濃度が高いほどHUVECのアポトーシスを抑制した。今回の検討ではインフルエンザ脳症での予後の悪化因子としての解熱鎮痛剤の使用に関しての血管内皮細胞レベルでの知見は得られなかった。今後、IL-6など他のサイトカインについて同様の検討を行い、インフルエンザ脳症の病態を明らかにしたい。
|
Research Products
(1 results)