2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経疾患治療に向けての骨髄幹細胞の脳組織内での細胞融合と分化・生着に関する研究
Project/Area Number |
18591163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田中 あけみ 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30145776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 光代 関西医科大学, 医学部, 講師 (40122080)
瀬戸 俊之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (60423878)
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Keywords | 先天性代謝異常症 / 遺伝性神経変性疾患 / 再生医療 / 移植医療 / 発生 / 分化 / GM2-ガングリオシドーシス / β-ガラクトシダーゼ |
Research Abstract |
遺伝性神経変性疾患のひとつであるGM2-ガングリオシドーシス(β-ガラクトシダーゼ欠損症)のモデルマウス(β-ガラクトシダーゼ・ノックアウトマウス)を用いて、細胞移植による治療研究を行った。ヒトβ-ガラクトシダーゼを高発現するトランスジェニックマウスから次の3とおりの移植用細胞を調整した。(1)成マウスの大腿骨より骨髄細胞を採取・培養して浮遊細胞を除き、培養面に付着増殖するものについて継代培養を続け、安定して分裂増殖する間葉系幹細胞株、(2)胎生12〜13日の胎仔の大脳より得た胎生期脳細胞(この胎生期脳細胞は凍結保存も可能であり、また、ポリD-リジンをコーティングしたシャーレ上で、Neurobasal/B27培養液に10%に牛胎児血清を加えたものを用いて培養すると、数日で突起を現し神経細胞様の形態をなす)、および(3)(1)と (2)の混合細胞である。これらを生後1日齢のβ-ガラクトシダーゼ・ノックアウトマウスの脳室内にそれぞれ移植し、移植細胞の生着期間とGM2-ガングリオシドの蓄積を抑制する治療効果を見た。移植後2,4,8,12,24,32週の各々の時点で、(1)、(2)、(3)各群を生着細胞数、生着期間、およびGM2-ガングリオシド蓄積に対する効果について比較検討した。生着細胞数および生着期間は、X-Gal染色にてヒトβ-ガラクトシダーゼ強発現の細胞の量により判断した。(1)の細胞を移植したマウスでは、移植後32週においてもヒトβ-ガラクトシダーゼ強発現細胞を認めたが、(2)、(3)の細胞を移植したマウスでは、移植後12週ですでにヒトβ-ガラクトシダーゼ強発現細胞はかなり減少しており、有意差があった。GM2-ガングリオシド蓄積は、生着細胞の生着期間に依存して減少が認められた。
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